天敵御曹司と今日から子作りはじめます~愛され妊活婚~
小暮さんが連れていってくれたのは、ベリーヒルズビレッジという複合施設内にある高級レストラン。
高層ビルの五十四階でエレベーターを降りると、きらめくシャンデリアが目に飛び込んできて、足元はふかふかの絨毯が敷き詰められている。
足を踏み入れるだけでちょっと背筋が伸びるような場所だ。
フレンチレストランでは窓際のテーブル席に誘導されて、眼下に広がる夜景に目がくぎづけになった。
「すごい……。宝石箱をひっくり返したみたい」
「うん、きれいだ」
彼も窓の外に視線を移して微笑んでいる。
「なるほど。こういうお店で女性を落とすんですね」
「そうそう。でも一向に落ちない女もいるんだよなぁ」
「小暮さんが落とせない女性なんているんですか?」
大企業の御曹司で顔もスタイルも申し分ない。