天敵御曹司と今日から子作りはじめます~愛され妊活婚~
「でも……」
「いいから」


迷ったものの、目の前の克洋が怖くて部屋を飛び出して走る。

助手席に滑り込み部屋のほうに視線を向けると、克洋を追い出して施錠した小暮さんが戻ってきて、なにも言わずに車を発進させた。


「すみません……」


余計な修羅場に巻き込んでしまった。


「いや、大丈夫か?」
「はい」


殴られた頬がジンジンと熱を帯びているが、それだけで済んだのは彼のおかげだ。


「こんなこと、いつもされてるのか?」
「最初はとても優しくて……」


鬼のような克洋の顔を思い出してしまい言葉が続かない。


「もう大丈夫だから。ゆっくり息をして」


促された通り深呼吸をして続ける。


「一カ月ほど前から変わってきて、束縛が激しくなりました。でも、危害を加えられたのは初めてです」


克洋とは行きつけのカフェが同じで、よく顔を合わせているうちに仲良くなり付き合い始めた。

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