オスの家政夫、拾いました。0. プロローグ
一週間後。お試し初日がやってきた。
彩響は落ち着かない気持ちでリビングにいた。約束の時間は午後1時。時計の長い針が12にそろそろ重なろうとする頃、マンションの前でうるさいバイクの轟音が響く。 何事かと思っていると、すぐインターホンが鳴った。
「悪い、遅くなった!Cinderellaから来た、河原塚成だ!」
モニター越しに男がニッコリ笑う。扉を開けると、河原塚さんはドカドカと上がり込んで来た。彩響は彼の服装を見て目を疑った。どう見ても家事代行サービス会社から派遣された人には見えなかった。
(え、本当に?この人が家政夫なの?)
派手に染めた髪や、黒いライダージャケット、そこに腰のチェインまで、どこをどう見てもそこらへんをバイクで走るヤンキーにしか見えない。一瞬家を間違えたのかと疑ったが、首にかけている社員証を見るとそうでもないっぽい。
彩響の困惑に気付いているのかないのか、河原塚さんが人のよさそうな笑顔を見せる。
「いやーバイク停める場所がなかなか見つかんなくてさ」
「あっ、あの…。はい、よろしくお願いします」
「おぉ、任せとけよ!」
河原塚さんの勢いに圧され、彩響は思わず返事をしてしまう。しかし心の中の疑いは簡単に消せなかった。
(本当に大丈夫なの…?)
一抹の不安を感じながら、後をついていく。河原塚さんはリビングに目を向けると、一瞬動きが止まった。
「…ほお、これはこれは…やる気が出る部屋だな」
ボソリと呟く声が聞こえてくる。彩響はわざと聞こえないふりをした。
彩響は落ち着かない気持ちでリビングにいた。約束の時間は午後1時。時計の長い針が12にそろそろ重なろうとする頃、マンションの前でうるさいバイクの轟音が響く。 何事かと思っていると、すぐインターホンが鳴った。
「悪い、遅くなった!Cinderellaから来た、河原塚成だ!」
モニター越しに男がニッコリ笑う。扉を開けると、河原塚さんはドカドカと上がり込んで来た。彩響は彼の服装を見て目を疑った。どう見ても家事代行サービス会社から派遣された人には見えなかった。
(え、本当に?この人が家政夫なの?)
派手に染めた髪や、黒いライダージャケット、そこに腰のチェインまで、どこをどう見てもそこらへんをバイクで走るヤンキーにしか見えない。一瞬家を間違えたのかと疑ったが、首にかけている社員証を見るとそうでもないっぽい。
彩響の困惑に気付いているのかないのか、河原塚さんが人のよさそうな笑顔を見せる。
「いやーバイク停める場所がなかなか見つかんなくてさ」
「あっ、あの…。はい、よろしくお願いします」
「おぉ、任せとけよ!」
河原塚さんの勢いに圧され、彩響は思わず返事をしてしまう。しかし心の中の疑いは簡単に消せなかった。
(本当に大丈夫なの…?)
一抹の不安を感じながら、後をついていく。河原塚さんはリビングに目を向けると、一瞬動きが止まった。
「…ほお、これはこれは…やる気が出る部屋だな」
ボソリと呟く声が聞こえてくる。彩響はわざと聞こえないふりをした。