オスの家政夫、拾いました。0. プロローグ

「そう!私も以前頼んだことあるけど、すごくいいのよ!仕事はもちろんだし、料金もそこまで高くない。そしてなにより…来てくれるスタッフが皆イケメンなの!」


確かに、画面にはそれぞれタイプの違う皆美形の男性達が揃っていた。


「まあ、イケメンではあるけど…ってスタッフ全員男なの?」

「そう、そこがいいのよ!力強い男に人がやってくれるから更に安心、的な?」

「いや、でもホストクラブじゃあるまいし…怪しくない?」

「大丈夫だって!最初はさ、こういうのもあるんだよ?」

「プロの家事、掃除を体験するチャンス!

4週間の初回お試し

週1回×4(週)、1名ずつ、貴方のお好きな日に伺います!

4名の優秀なスタッフがご対応致します」


なかなか申し込みのボタンを押せず、彩響は画面をじっと見つめた。男の家政婦、いや家政夫なんて聞いたこともない。戸惑う彼女に理央が言った。


「あんただって、男向けの雑誌の主任やっているわけでしょ?だからこそ、こういうのも偏見持たずに積極的に試してみるべきじゃない?」


理央の言葉を否定するわけではないが、どうしても元彼の姿が思い浮かぶ。自分の父を含め、今まで家事をやる男なんて見たことがない。テレビドラマは夢の世界だから、それは現実とは違う。


「まあ、ちょっと考えてみるよ」

「うん、ぜひ!きっと後悔しないからね」
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