今日も君に恋焦がれる
「おはよ」


そう言ってニッコリ笑ってくれる。


たけど、その笑顔を素直に喜べないでいる。


いつもみたいに、可愛い〜!って思えないでいる。



「葵くん、帰ってないの?」


「え?あ〜うん。会社に泊まった。仕事終わんなくて」



一瞬だけ瞳が揺れたのを見逃さなかった。



「そう、なんだ…」


「昨日ちゃんと約束守ってくれた?」




守ったよ?葵くんに会いたくてすぐ帰ったんだよ?…葵くんは?…誰といたの?



「すぐ帰ったよ」



そう笑いかけると葵くんも笑い返してくれた。
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