白鳥学園、いきものがかり




私の答えに何故か喜ぶ監督と撮影スタッフ達。
どういう訳か片付け作業に入っていた。


「?、累…撮影は?」

「…終わった」


そう、なの?私が居ない時の物を使う事にした、とかかな?


「ルイ!監督に挨拶!」


象山さんの言葉に累は小さく舌打ちをして、私をベンチに座らせてくれた。


そして──────、



チュッ、



「すぐ戻る」



手の甲にまたもキスを落としていった。


そ、そんな急に…!

ドキドキし過ぎてまた具合悪くなったら…後で累の事怒るんだからね!?



「…何よ。あんた、ルイのなんなわけ?」

「え?」


累の後に出てきた猪花ゆかさん。



「は、はじめまし…!」

「どうでもいいから、答えてくれない?」

「え?…えっと、累とは幼馴染で…」

「はぁ??たかが幼馴染の癖に、よくもルイの隣にいれるわね」



睨まれて舌打ちされた。それだけじゃない、腕を組み私を上から下まで凝視され、鼻で笑われる始末。



「ようやくルイと共演できるはずだったの。それを、あんたみたいなのがよくも…!」



迫力に思わず身を小さくする。

< 110 / 199 >

この作品をシェア

pagetop