白鳥学園、いきものがかり
自分の席に座ると累も釣られて隣に座った。
「…席に戻らないと、」
「まだ時間、あるから」
そう…だけど。
累が朝から学校にいるなんて変な感じだ。
最近は随分と忙しそうだったから。
「今日一緒に帰ろ。紬」
「…仕事は?」
「休み。紬と、ずっと一緒にいれる日」
私にだけ見せる笑みと沢山の言葉。
「……一人で帰れるよ」
「だめ。俺と帰るの」
「大丈夫だから」
「——————紬、」
繋がれる手。絡まる指。
「俺と帰らないと、バレた時どうするの」
私は……どうしたらいいんだろう?
「一緒に帰ろう、紬」
「……うん、」
────────私に実くんが話しかけてきた。
「…雲雀、少しいいか?」
実くん…。
今日も迎えに来るって言ってくれたのに、累がそれを止めてきた。私が頷くと累はそんな私の前に立つ。
「だめ。紬は俺といる」
「累…鷹埜先生と少し話してくるだけだよ」
「無理。なら俺も行く」
「白狼には関係のない事だ。雲雀、すぐ終わる」
途中までついて来た累は実くんに言われ、廊下で待つことになった。勿論ずっと文句ばかり言っていたけれど。