白鳥学園、いきものがかり


実くんが見せて来たのはあるSNSだった。


「これは…紬だな?」


あのCMだった。


「今、この話題に持ちきりだ。ルイの彼女じゃないか、そんな話も出回っている」

「っ…そう、みたいだね」


トレンドと書かれたページには、”紬、誰?”や”ルイの彼女”などと言った事が書かれている。

私の知らない所でかなり話題になっているらしい。


「特定班も動き出しているらしい…こうなれば雲雀紬に辿り着くのもそう遅くはないだろう」


特定…?

実くんはふらついた私の身体を支えてくれた。身体が震えしまう。


「…実くん…私どうしたらいいの…?」

「……ほとぼりが冷めるまで、何処かに身を寄せていた方がいいだろう」


ほとぼり…って。そんないつになるか分からない。

やっと、やっと普通の学校生活が出来るって楽しみにしてたのに…。


「…っ、パパとママの所…行きたい…」


震える私の手を握ってくれた実くん。実くんならきっと手を貸してくれるって信じてた。だけど……、


「駄目だ」


予想外の言葉に目を丸くした。


「ど…どうして?」

「紬…お前の身体はロンドンまで耐えられるのか?」

「それは…勿論お医者さんと話をして…」

「いいや。紬には耐えられない」

「っ…、もうそんなに悪い所なんて無いよ。学校にだって通えてるもん…!」

「昨日はなんで休んだか分かっているのか?紬には絶対に耐えられないだろう」


それは…そうだけど。でも…それなら何処にいればいいの?

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