白鳥学園、いきものがかり

SNSには過激な事も書かれている。
ルイの熱狂的なファンからの悪口。

学校にだってルイのファンは沢山いる。
その人達にバレたら私は一体どうなるの?


もしこれが…累の仕事に影響を及ぼしてしまったら?


「紬、大丈夫か」

「っっ…、やっぱり行きます…他に行くところなんて無いもの…」


辛くてもいい。それでも私は五人から離れなきゃいけない。


「…いや、他にあるだろう?」


実くんが私の手を強く握った。頬を少し赤らめて口を開く。



「俺の家があるだろ」



……え?

私は左右に首を振った。


「遠慮しなくていい。紬の両親から、紬の事は託されているって話したはずだ」

「だけど…、」


そこまで迷惑を掛けるわけにはいかない。


「具合が悪くなればすぐに病院に行ける。それに紬の両親も安心するだろう。送り迎えも俺が責任もってするつもりだ」


そうじゃなくて…、


何度も左右に首を振る私に実くんは「何が不満だ?」と繰り返す。


………実くんは教師で私は生徒。

校内でも人気の高い実くんが、一生徒である私と一緒にいるなんて…それはそれで大変な事になりそう。



「っ、実くん…ごめんなさい。私…」

「…紬、お前は何を心配してるんだ?」



こんな事言っていいのか分からないよ。


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