白鳥学園、いきものがかり

「…………そっか」


累は小さくそう言うと、マスクを付け直し髪をぐしゃぐしゃにした。


……累。
分かってくれたんだね。

良かった…私上手く言葉に出来なかったから…。


カクン、
その場にへたり込んだ。


驚いた、いおちゃんは私の手を取ろうとする。
けれど累が先に私の手を引き、ベッドに座らせた。


呼吸がしづらい…息ちゃんとしないと……。


「はっ…はぁ…、」


胸を抑え呼吸を整えようとする。慌てないようにゆっくりと息を吸って吐く。


「早退する?」


っ……、嫌だよ。
まだ学校で勉強したい。

授業だってまだ全然……。


「生徒会長だっけ。紬と俺、早退するから。あいつ………たかな?に言って来て」

「…鷹埜先生だろう。それは君がやって来たら良いよ。僕が雲雀ちゃんを……、」


累…待って。私帰りたくない。


制服の袖を引っ張った。累は私の頭を撫でると、目隠しをした。



「紬、おやすみ。好きだよ」



耳元で聞こえたその優艶な声に、私は思わず頷いていた。


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