白鳥学園、いきものがかり


「雲雀さーん。様子を見に……きゃあ!?貴方達!何をしているの!!」


タイミングよく看護師さんが二人を止めると、あれよあれよと追い出してしまった。


「喧嘩は外でやってください!」


ピシャリと閉められたドアに私も吃驚。
看護師さんはその後で私の体調を見てくれた。

二本目の点滴を刺され、ジッとするようにと指示を出された。


………看護師さんが来てくれてよかった。
私じゃ…あんな風に止められないから。

いおちゃんも傷付けてしまったから…。


暫くしてドアが開いた。入ってきたのは紘ただ一人。


……累は?


「……あいつなら食いもん買いに行った」


そっか…でも正直ホッとしてる。
だってあんなことがあったから…。

いおちゃん…吃驚しただろうな。急に倒れたから。次に会った時にちゃんとお話しないと。そして…累の代わりに謝って、お礼を言うの。

私の気持ちを代弁してくれたのは、いおちゃんだったから。


ジャラ、目の前に何かを出された。


「…わ、に?」


誕生日に貰ったワニのぬいぐるみ。それが小さくなって、キーホルダーになっていた。


「どうしたの?これ?」

「……やる」


か、かわいいけど。ぬいぐるみも貰ったのにキーホルダーまでって…。

紘は私のスマホを持つとそれを付け始めた。
カバーに付けられたぬいぐるみのキーホルダー。


……世界観が凄いことになっちゃった。


ワンポイント柄のインコとワニのキーホルダー。捕食されそうな構図になってしまった。

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