白鳥学園、いきものがかり
っっ……、
私はその隙に傑の身体を押した。
そして手を伸ばしたのはナースコール。
さっきよりも早く来てくれた看護師さんに、二人を追い出すようにとお願いをした。
累と傑は目を見開き、「どうして」かと聞いてくる。私は何も答えず、背を向け寝転んだ。
────────静かになった病室。
包まる布団の中、私は自分の唇に触れた。
累と傑からされたキスを思い出してしまう。
「っ……、なんで、」
どうしてこんな事したの…?翔にもされたのに…翔の時と全然違う。あの時だって突然された事だったのに。
少し寝たのだろう、ふと気が付くと暗くなっていた。点滴は残り少しで終わりそうだった。
何もする事が無くテレビをつけ、あるニュースが流れ始める。
「────────凪…?」
見出しに書かれたその言葉に絶句した。
『ナギ、無期限の活動休止』
現在放送中のCM、販売中の雑誌などを最後に、ナギの活動を無期限に休止する…という内容だった。
………嘘。なんで。
私はすぐにスマホを取り出し、凪の番号へと電話を掛ける。しかし出ない。メールもメッセージも電話も何一つ繋がらなかった。
「っ……なぎ…!」