白鳥学園、いきものがかり


一口食べて吐き気が来る。それでも無理矢理飲み込む。

笑顔の凪と視線を逸らす私。
凪は私の太ももに触れ、引っ張った。


「きゃっ…!」


いきなりの事だったから、ベッドに倒れ込んでしまう。仰向けになった私よりも太ももを心配する凪。

粥の落ちた所が赤くなってしまっていた。


「ああ…紬の白い足が…綺麗な足が…俺のせいで、」


…っ、どうして泣いてるの?

涙をポロポロと流す凪に動揺した。赤くなった所に凪の唇が触れた。


「ごめん。ごめん紬。ごめんなさい」

「……っ、凪…大丈夫だから」

「俺の事嫌いになりましたよね?こんな事ばかりするから…紬も俺を置いていくんだ…」

「っ、違う…違うよ。そんな事しないよ」


悲観的な言葉ばかりを続ける凪はずっと泣いていて私の台詞は届かない。

体育座りになった凪の頭を撫でた。泣き続ける凪が顔を上げ、私の手を掴み自分の頬へと持って行く。



────────ピンポーン、



玄関のチャイムが響き、驚いて凪から手を離す。

……もしかしておじさん?


「待って。行かないでください」

「な、なぎ。インターホンを見てくるだけだよ。ここで待ってて?」

「嫌だ。行くな。そう言って出ていくのでしょう?」

「行かないよ。ちゃんと戻って来るから…」


凪は何度も首を振る。そんな凪を宥めてから向かう。
モニターに映るのは黒いキャップを被った男の人。


……おじさんじゃない?もしかしてテレビ局の人とかじゃない…よね?


もう一度チャイムが鳴った。

……ごくっ。


「………は、い」


恐る恐る通話ボタンを押した。

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