白鳥学園、いきものがかり
満員電車、通勤ラッシュ。
そのせいで沢山の人がいる。
サラリーマンや学生など沢山電車にいる。全員キツキツ状態で乗っている。
それなのに、私にはかなりの余裕があった。
凪と翔がそうしてくれているから。
凪が正面に居るのは、私に人の圧が来ないようにするため。翔が隣に居るのは、私が電車の揺れで倒れないようにする為。
…私は本当に一人じゃ何も出来ないんだ。
もし、二人がいなかったら…私は一人でこの沢山いる電車の中にいれただろうか。
…なのに私は。
二人に嫌な思いにさせてしまったんだ。
だけど…私にはどうしてそう思わせたのか、全然分からないよ。
「凪、翔…、」
「駆け込み乗車はおやめください!」
外で駅員の声がしたと同時に。
「ッ────!」
「ひゃっ…!」
沢山の人が入ってきた。押し込まれるように入ってきた人の数は、電車を一瞬傾ける勢いだった。
さっきまで合ってなかったはずの凪と目が合った。
突然の圧に驚いているように見える。
私の周りにはまだ余裕がある。
けれどそれも駅員の押込みで状況が一変。
「ッ…悪い、紬」
凪…?
小さな声がした後で、
──────ドンッ!
と耳元で大きな音が響く。
その音に乗客も一瞬、こちらを見る。