白鳥学園、いきものがかり



満員電車、通勤ラッシュ。
そのせいで沢山の人がいる。

サラリーマンや学生など沢山電車にいる。全員キツキツ状態で乗っている。


それなのに、私にはかなりの余裕があった。
凪と翔がそうしてくれているから。


凪が正面に居るのは、私に人の圧が来ないようにするため。翔が隣に居るのは、私が電車の揺れで倒れないようにする為。


…私は本当に一人じゃ何も出来ないんだ。


もし、二人がいなかったら…私は一人でこの沢山いる電車の中にいれただろうか。


…なのに私は。
二人に嫌な思いにさせてしまったんだ。

だけど…私にはどうしてそう思わせたのか、全然分からないよ。


「凪、翔…、」

「駆け込み乗車はおやめください!」


外で駅員の声がしたと同時に。



「ッ────!」

「ひゃっ…!」



沢山の人が入ってきた。押し込まれるように入ってきた人の数は、電車を一瞬傾ける勢いだった。


さっきまで合ってなかったはずの凪と目が合った。
突然の圧に驚いているように見える。


私の周りにはまだ余裕がある。
けれどそれも駅員の押込みで状況が一変。



「ッ…悪い、紬」



凪…?

小さな声がした後で、


──────ドンッ!
と耳元で大きな音が響く。

その音に乗客も一瞬、こちらを見る。


< 68 / 199 >

この作品をシェア

pagetop