白鳥学園、いきものがかり
ドキドキする胸を抑えつつ、息切れしながら、助けてもらいながら。
なんとか学校に到着。
一筋の汗が落ちる。
…ハァ、ハァ。
良かった…ちゃんと来れた、ハァ。
まるでフルマラソンを完走したかのような、息切れと動機、火照る顔。
それのせいかな。男子生徒から凄く見られている気がするのは…。
「紬ちゃん、こっち来て」
膝に手を当て、呼吸を整えている最中。俯く私に手を差し出す翔。
「ま…待って。もう少し呼吸…」
もう少し落ち着かないと。
直ぐ歩けないよ…。
「良いから、来てください」
「ひゃっ…!」
手首を引っ張られ、凪の胸に飛び込んだ。
さっきのこともある、逃げ出したい…だけどそんな気力はもう皆無。
「少し何処かで休みましょう」
ふわっ…、
軽々と浮く足、身体。
「…っ、凪…降ろし、」
「まだ時間では無いですよ。安心してください」
そういう事じゃなくて…。
周りの視線が…痛いから。
女生徒達からの視線も加わって、さっきよりも痛い。耐えられず、凪の着ているブレザーの内側に隠れた。
ボタンが開いていたお陰で直ぐに隠れる事が出来た。
「お水買って来たよ~!休憩しようねっ」
「翔の割に気が利きますね」
「そりゃそうだよ。紬ちゃんの為だもん」
そう言いながら、二人は歩き出した。