ため息のわけを教えてください
「お互いに自然体でいられる人、かなあ」
「じゃあカッコイイ系、かわいい系、どっち派ですか?」
「え、わかんない」
誰と言われたわけでもないのに、勝手に大福さんを思い出して、恥ずかしくなってきた。
「大場さんって、かなり秘密主義ですよねえ。SNSも無言だし、昼間はいつも用事があるって言ってるけど、それが何かも未だに教えてくれないし」
「あ、用事はいつもじゃないよ? それに、言うほどのことでもないというか」
「ほら、またそうやって。あ、お客さん来ちゃった。いつかゆっくり聞かせてくださいね」
同僚はバックルームに引っ込んだ。彼女は午後まではコンビニ、その後は繁華街のバーでアルバイトをしている。世界一周旅行の資金集めをしつつ、各国の情報を拾っているのだとか。そんな大それた野望を持つ人に、わたしの狭い世界の話をするのは恥ずかしい。
クッキーの配布がない日常は、穏やかに過ぎていく。仕事をこなしていくあいだも、時間ばかりが気になった。昨日自宅に帰ってから、大福さんが利用しているというメッセージアプリの登録をした。時計を返すとき、一緒に連絡先を書いた紙を渡すつもりだ。
「じゃあカッコイイ系、かわいい系、どっち派ですか?」
「え、わかんない」
誰と言われたわけでもないのに、勝手に大福さんを思い出して、恥ずかしくなってきた。
「大場さんって、かなり秘密主義ですよねえ。SNSも無言だし、昼間はいつも用事があるって言ってるけど、それが何かも未だに教えてくれないし」
「あ、用事はいつもじゃないよ? それに、言うほどのことでもないというか」
「ほら、またそうやって。あ、お客さん来ちゃった。いつかゆっくり聞かせてくださいね」
同僚はバックルームに引っ込んだ。彼女は午後まではコンビニ、その後は繁華街のバーでアルバイトをしている。世界一周旅行の資金集めをしつつ、各国の情報を拾っているのだとか。そんな大それた野望を持つ人に、わたしの狭い世界の話をするのは恥ずかしい。
クッキーの配布がない日常は、穏やかに過ぎていく。仕事をこなしていくあいだも、時間ばかりが気になった。昨日自宅に帰ってから、大福さんが利用しているというメッセージアプリの登録をした。時計を返すとき、一緒に連絡先を書いた紙を渡すつもりだ。