悪役幼女だったはずが、最強パパに溺愛されています!
それからというもの、仲睦まじかった親子の関係は変わってしまった。

就寝前のリシュタルトの来訪は相変わらず続いていたが、ナタリアはいつもツンとしていた。

彼に気に入られるためには、今までのように愛嬌を振りまいた方がいいのは分かっている。

だが愛嬌を振りまいた結果、計画通りにいかなかったわけで、どう接していいのか分からなくなってしまったのである。

それに、反抗してからというもの、収拾がつかなくなってしまったというのもあった。

先日も、隣国の王女が南大陸に留学したという話を耳にして、ナタリアはよりいっそう腹が立っている。

(なんでよその国の王女はいいのに、うちはダメなのよ)

そんなこんなで、ナタリアは分かりやすいくらいリシュタルトに反抗し続けていた。

リシュタルトはというと、ナタリアといるときはいくらか気まずそうなものの、叱ったり話をほじくり返したりということはなかった。

基本、無口で不愛想ないつも通りの彼である。

だがここ最近、城を守る近衛兵の数がぐんと増えたのは気のせいではないと思う。

(私が前みたいに逃げ出さないように見張っているのね)

それは、ナタリアをどこにもやらないというリシュタルトの意思表示のように思えた。

負けるものかと、ナタリアはよりいっそうリシュタルトに冷たく接するようになっていった。

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