悪役幼女だったはずが、最強パパに溺愛されています!
獣人と人間の番は、必ずしもうまくいくわけではない。

多くの獣人が敵わぬ想いに打ちひしがれ、錯乱した。

ナタリアの両親もそうであり、いわば彼女は、番が生み出した哀れなみなしごだ。

もしもあなたは自分の番だと告げたら、彼女はどんな反応をするだろう。

そんなことを思うたびに、ギルは切ない気持ちになっていた。

(あと十年……いや、五年待てば何かが変わるだろうか)

この想いが成就しないことも、抗えないほどの苦しみが待ち受けていることも、覚悟はしている。

だがときどき、ほんの少しだけ、そんな期待を抱いてしまのだ。

「あったわ。ここよ、ギル。……って、顔が近いわ」

無意識のうちに近づきすぎてしまったようで、ナタリアが顔を真っ赤にした。

恋愛感情でないことは分かっていても、彼女が自分を見て恥じらってくれるのは素直にうれしい。

「失礼しました。ナタリア様がかわいすぎて、つい」

「もう、ギルってば。いつも冗談ばっかり言うんだから」

さも面白そうに、ナタリアが笑う。

(冗談なんか一度も言ったことはありませんよ)

――心の叫びは、いつか届くだろうか。

今はもう慣れてしまった胸の痛みに気づかないフリをして、ギルは今日も彼女の前で、家庭教師の自分を演じるのだった。

END
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