溺愛まみれの子づくり婚~独占欲強めな御曹司のお相手、謹んでお受けいたします~
彼は冷徹に囁いた直後、噛みつくようなキスで私の唇を塞ぎ、いきなり舌をねじ込んできた。
呼吸する隙がほとんど与えられず溺れたようにもがくと、ほんの少しだけ息をつく間与えられ、すぐにまた執拗なキスが私の口内を蹂躙する。
脳に酸素が行き渡らず、体の力が抜けていく。
どうしたの? 維心さん。こんなの、いつものあなたじゃない……。
「好、き……」
キスの合間、とぎれとぎれに、私はずっと心で温めてきたふた文字を告げる。
維心さんの唇が濡れた音を立てて離れ、切なげに細めた目で私を見る。
「好きですから……私は。いつでも、どんな維心さんでも」
だから、そんなふうに、自暴自棄にならないで。彼がなにに苦しんでいるのかはわからないけれど、私だけは味方だから。
浅い呼吸で胸を上下させながら、彼の頬をそっと両手で包み込む。そして自分からチュッと短いキスをして、小さく微笑む。
しかし、維心さんの瞳に光は戻らず、その代わりに口の端に歪んだ笑みが浮かぶ。