溺愛まみれの子づくり婚~独占欲強めな御曹司のお相手、謹んでお受けいたします~
「わっかんねえな、部長って。少なくとも会社では、早坂のことめちゃくちゃ溺愛しているように見えるのに」
「溺愛?」
「うん。結婚前はいかにも仕事人間で冷たい印象だったけどさ。早坂と結婚してからはなんか色々わかりやすい人になった。あからさまに俺に嫉妬するし、めちゃくちゃ優しい目で早坂のこと見てたりもするし。だから早坂が落ち込んでるのが逆に不思議で、家での部長はどんだけ暴君なのかなとか勝手に想像してた」
そ、そうなの?
元木くんの話に心当たりがなさすぎて、私はぽかんとする。
「本当に、愛されてる自覚、全然ないのか?」
「愛されてる、自覚……」
小さく呟いた瞬間、頭の中に維心さんのたくさんの表情が浮かんでは消える。
引っ越しの日に、車内でキスの種類や回数に悩んでいた彼。ニンニク味のキスにふっと微笑んでいた彼。初めての夜、何度も『好きだ』と言いながら愛おしそうな目をしていた彼。
熱を出した私を看病する優しい彼。軽井沢の夜、線香花火の勝負にムキになっていた、少年のような彼。
それから、私が夫婦生活を拒んだあの日、傷ついた目をした彼――。