溺愛まみれの子づくり婚~独占欲強めな御曹司のお相手、謹んでお受けいたします~
「今度こそ幸せになれよ。美久もだが、お前も」
《はは、サンキュ。兄貴からそんなこと言われると、なんか照れくさいね。今まで、美久が誰を想っていたって俺が愛してればそれでいいって思ってたけど、本当はこんな日が来るのをずっと待ってたんだ俺、たぶん》
「玄心……」
お前は俺にないものをたくさん持っている、自慢の弟だ。きっと美久との関係を修復し、今度こそ皆が羨むような夫婦になれる。
《あ、ちなみに美久のヤツ、もしも悠里ちゃんが許してくれるなら、今度直接会って謝りたいって。なんか、兄貴が席を外している間にスーツのポケットにゴムを忍ばせた件とかって》
「ゴム……?」
輪ゴムか? それをポケットに忍ばせたからなんだというのだろう。
《まぁいいや。その辺は改めて連絡するよ。今、悠里ちゃんと部屋でふたりきりでしょ? 今日も頑張ってね~、子作り》
一方的にそう言って、玄心は通話を切ってしまう。
忙しないヤツ、と思いながらスマホをしまっていると、悠里の大きな瞳が俺の顔を覗く。