溺愛まみれの子づくり婚~独占欲強めな御曹司のお相手、謹んでお受けいたします~

 ということは、予定通り土曜日の夜にご家族に会うのだ。ご両親と、維心さんの弟さんも来てくれることになっている。

 桐ケ谷家のセレブな一族に囲まれて食事をすると思うと、今からソワソワしてしまう。

 それと、今日はもうひとつ緊張することが……。

「ところで今日は予定通り、朝礼できみとの結婚について公にするが問題ないな?」
「は、はい。よろしくお願いします……!」

 私みたいな一般人が、社内中の憧れの的である維心さんと結婚しただなんて、みんな信じられないだろうな。

 それとも、跡継ぎを残すための人選だってすぐにバレて同情されたりして。だとしたら居たたまれないけれど……。


 微妙な不安を抱きつつ、パンを食べ終わると維心さんの車で一緒に会社に出勤した。マンションの徒歩圏内には駅もあるので、ひとりの時は電車を利用することになるだろう。

 会社では周囲の目が怖いので俯きがちに歩き、営業部に着いてからさりげなく維心さんと別れた。

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