溺愛まみれの子づくり婚~独占欲強めな御曹司のお相手、謹んでお受けいたします~
「時間をかけるより、効果的な方法があります」
「効果的な方法?」
言うのよ、悠里。あくまで妊活のためという体なら、恥ずかしくないでしょう?
「はい。行為の最中、愛の言葉を囁くんです。好きだとか、愛してるとか。耳にはたくさんの神経が通っていますし、女性は聴覚に刺激を受けやすい性質があります。さらには甘い言葉が、気持ちを盛り上げるムード作りにもなります。だから……」
嘘でもいいから、どうか。私を抱きながら、「好きだ」「愛してる」と言って。一番大切なその部分をどうしても口に出せず、ただ維心さんに切実な目を向ける。
すると、彼は一度目を伏せた後、鋭い眼差しで私を射貫き、私の腕を掴んでベッドに押し倒した。そのまま獰猛に唇を奪われると思いきや、優しいキスがそっと唇に触れる。
「好きだ、悠里」
まるで本当に感情を通わせたような、甘い声で彼が言った。私の胸は幸福と切なさで詰まり、瞳には薄い涙の膜が張る。
「維心さん……」
彼は涙目の私のこめかみにチュッとキスをして、それから唇を食み、舌を使った深いキスで、私の呼吸を奪う。
溺れないように逞しい背中に縋り、時々唇を解放されてはまた甘いキスの海に沈められた。