無気力な幼馴染みの甘い溺愛が止まらない!
由妃のお父さんの言葉に胸が熱くなった。
単純に嬉しかった。
由妃の気持ちは俺に向いてないし、これから頑張らないといけないにしても、認められたその事実が。
「由妃は母さんに似て可愛いから、学校でもモテてるだろう。頑張れよ、聖一」
「はい、頑張ります」
由妃のお父さん見て、しっかり頷いた。
さっきとは少し違う心持ち。
もちろん、それはいい方向だ。
ガチャッ
ちょうどその時、由妃達が入ってきた。
手に料理を持ってるから、もう出来たらしい。
「ごめんなさいね。遅くなっちゃって」
「いや、全然待ってないぞ。凄いか、母さん。いつも時間ぴったりだ」
「ふふっ、それならよかったわ」
仲の良さが伝わってくる。
昔の俺の両親にはない仲の良さだ。
今は少しはマシになってるみたいだけど。
まぁ、政略結婚みたいだし、当時父さんにも母さんにも恋人がいたから、しょうがないないかもな。
それでも、昔よりは今の方がいい関係を築いている。
全然由妃の両親の仲の良さには敵わないけど。
そう思いながら由妃の両親を見ていると、視界に由妃の姿が映った。
重そうな皿を両手で持っている。
「由妃」