無気力な幼馴染みの甘い溺愛が止まらない!


由妃のお父さんの言葉に胸が熱くなった。


単純に嬉しかった。


由妃の気持ちは俺に向いてないし、これから頑張らないといけないにしても、認められたその事実が。


「由妃は母さんに似て可愛いから、学校でもモテてるだろう。頑張れよ、聖一」


「はい、頑張ります」


由妃のお父さん見て、しっかり頷いた。


さっきとは少し違う心持ち。


もちろん、それはいい方向だ。


ガチャッ


ちょうどその時、由妃達が入ってきた。


手に料理を持ってるから、もう出来たらしい。


「ごめんなさいね。遅くなっちゃって」


「いや、全然待ってないぞ。凄いか、母さん。いつも時間ぴったりだ」


「ふふっ、それならよかったわ」


仲の良さが伝わってくる。


昔の俺の両親にはない仲の良さだ。


今は少しはマシになってるみたいだけど。


まぁ、政略結婚みたいだし、当時父さんにも母さんにも恋人がいたから、しょうがないないかもな。


それでも、昔よりは今の方がいい関係を築いている。


全然由妃の両親の仲の良さには敵わないけど。


そう思いながら由妃の両親を見ていると、視界に由妃の姿が映った。


重そうな皿を両手で持っている。


「由妃」

< 128 / 232 >

この作品をシェア

pagetop