無気力な幼馴染みの甘い溺愛が止まらない!
すぐに俺は由妃の方へと向かった。
「どうしたの?聖君」
「それ、持つよ。手柄取るみたいで悪いけど」
「う、ううん!そんなことないよ!ありがとう、聖君」
いつもは遠慮する由妃だけど、俺がそう言ったら簡単に受け入れた。
いつもそうすればいいのに。
迷惑さけたくないって、そんな理由で由妃は頼ろうとしないから。
そこは由妃の悪い癖だな。
「まぁ、紳士」
「ほんと出来た男だな」
「聖一君、スマートだよね!お姉ちゃん、いいなぁ!」
感心したような言葉は俺にバッチリ聞こえていて、何だかばつの悪い気持ちになった。
俺が優しくするのは、由妃だけ。
他の女なら、多分俺はそのまま見過ごす。
こんな性格の俺に、本来なら生徒会長なんてふさわしくない。
そもそも、誰にでも優しい由妃と俺じゃ釣り合わないかもしれない……
「聖君?」
「あ、いや」