無気力な幼馴染みの甘い溺愛が止まらない!
「言う必要ないだろ」
ギャーギャーうるさい穂希達を無視して机に突っ伏す。
すると、思い浮かんでくる由妃の顔。
早く由妃に逢いたい……
由妃、早く帰ってきて……
もう俺は限界だから。
由妃に逢いたすぎて毎日由妃の夢を見てしまうくらい。
由妃、由妃……
俺と由妃が初めて会ったのは、俺が小学3年の時。
出会う前、毎日をぼんやりと過ごしていた。
本当に何事にもやる気が出なくて、興味がない。
親も俺に関心がなく、テストで100点取ろうが運動会で活躍しようが特に褒められたことがなかった。
そんな風だったからこそ、俺みたいな無気力な奴に育ってしまったんだと思う。
でも、今はかなり変わったと思うけど。
俺も母さん達も。
それでも、由妃がいない世界はつまらないし、何事にも興味を持てない。
昔に戻ったみたいだ。
この性格のいいところは、いちいち気にしないでいられるところ。
悪いところは、他の奴から咎められるところ。
運動会とかでは特に。
まぁ、咎められても特に考えが変わったりしなかったけど。
そんな生活を送っていると、ある時隣に引っ越してきた由妃の家族。