無気力な幼馴染みの甘い溺愛が止まらない!
俺の家に挨拶しに来た由妃達を今でも覚えてる。
「こんにちは。隣に引っ越してきた白嶺です。つまらない物ですが、どうぞ」
「あぁ、そうですか。ありがとうございます」
感情のこもらない無機質な声。
母さんは誰に対してもこんな声で接する。
そうして、離れていくんだ。
「あら、そこにいるのは息子さんですか?」
「はい、そうです」
「まぁ、そうですか。かっこいいですね。皇さんの容姿をしっかり受け継いでますね」
かっこいい……その言葉はよく女の子が口にしている。
見るたびに言われてるから、俺は自分の容姿の良さを自覚していた。
「私にも娘がいるんですよ。由妃、隠れてないで出てきなさい」
由妃のお母さんに言われてひょこっと顔を出した当時の由妃。
人見知りなのか、ちょっと恥ずかしそうに出てきた。
よく見てみると、とても整った容姿をしている。
小さな顔、きめ細かい白い肌、吸い込まれてしまいそうな綺麗で大きな瞳、プルッとしている唇。
鼻筋はスッとしていて、綺麗な黒髪は肩までのセミロング。
お人形さんみたいだった。
こんな綺麗で可愛い子は見たことなくて、思わずぽーと見惚れてしまった。