溺愛過多~天敵御曹司は奥手な秘書を逃さない~
『あ。ここ、二時間いられるから。ゆっくり考えてごらん。例えば……手始めに、マイナス十キロ目標にダイエットして、見た目のコンプレックスを解消してみるってのはどう?』

『!』


女の子の身体的欠陥を、遠慮なくズケズケと言い捨てられ、私は喉の奥をひゅっと鳴らした。


『それから、猫背を直す。姿勢がよくなると、見た目も印象もだいぶ変わる。成功して綺麗になったら、本当の恋、したいと思うんじゃない? その時は、また出直しておいで。じゃあね』


軽い一言だけで、ラブホテルの一室に一人取り残され……。


『見た目……?』


私は、彼の言葉をぼんやりと反芻した。
結局、来る者拒まずのプレイボーイと悪名高い彼でも、私みたいな女は相手にしない。
ただの遊びでも、スタイルがよくて綺麗な女の子がいいってこと。


そのくらいわかりきっていたけど……。
ラブホテルに入って、キスして、すごくやらしく胸を揉まれたのに、あんなにあっさりやめられるなんて。


『う、うううっ……!!』


悔しいのか、腹立たしいのか、ホッとしたのか、恥ずかしいのか――。
いろんな感情が胸に渦巻き、自分の身体を両腕でギュッと抱きしめ、悶え苦しんだ。
それでも、胸にグサリと突き刺さった彼の言葉は、いつまでも頭の中をぐるぐると回っていて――。
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