溺愛過多~天敵御曹司は奥手な秘書を逃さない~
「さっきキスした時も、やっぱりあの頃の可愛い反応は見られなかったし。……残念だな。随分と男慣れしちゃって」


反射的に止めようとして彼の手を掴むと、やけにねっとりとした口調で問いかけられた。
侮蔑を感じて、私は彼を睨みつけた。
ここに来て目力を強める私に、彼はちょっと虚を衝かれた表情を見せたものの、


「一つくらい、質問に答えてほしいもんだけど」


どこか満足気に目を細め、傲慢に言って退けた。


「っ……!」


展望ラウンジの時とは違う。
ギラギラと滾るような欲情を憚らない、深く濃厚なキスを仕掛けてきた。


「ふうっ……、んっ!!」


非難も罵声も抗議もなにもかも、熱いキスで封じ込められる。
遠慮なくのしかかってこられて、身体の自由がきかない。
社長の肩に両手を置き、なんとか自分から引き剥がそうとジタバタしている間に、彼はなんとも器用に私のブラウスのボタンを全部外していた。


「んんんっ! んーっ!!」


貪るようなキスにのまれないよう、これ以上肌を暴かれないよう、私は唸り声をあげた。
死に物狂いで、薄い唇に噛みつく。


「っ、つう……」


彼が顔をしかめて、唾液の糸を引きながら離れていった。
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