毒吐き幼なじみはときどき甘い。
そうだけど…
いつも治ったくらいに昴くんが風邪ひくんだもん。うつしたことによって治りが早いのでは?って思うじゃん。
それで私より症状重いんだもん。申し訳なくなるよ。
「……俺にうつすことで、
千花が苦しむ時間が短くなるなら、うつしてくれていい…」
「……変なの」
「なにが?」
「昴くんが優しいのが」
昴くんの邪魔にならないように、ベッドの端に伏せるように頭を乗せる。
そしたら、
昴くんの骨ばった指が、私の前髪をすくった。
「……本当はいつだって、優しくしてーんだけど…」
「……」
昴くんの指から、髪が落ちる。
その手が今度は私の頬に触れて、びっくりして昴くんの方へ視線を向けた。
その時の昴くんは
とても…つらそうで、泣きそうな顔をしていた。