毒吐き幼なじみはときどき甘い。
*
───ガチャ…パタン。
「ん……」
何か物音が聞こえて、私は重い瞼を開けた。
……あれ。
私、寝てた!?
「あら?
昴ー?誰か来てるのー?」
1階から声が聞こえてきて、それが昴くんのお母さんの声だってことはすぐにわかった。
おばさん、仕事が終わって帰ってきたってことだよね?
今、何時…?
ベッドの傍に置いてあったデジタル時計を見たら、夜の7時をまわっていた。
……私、そんなに寝てた!?
おばさんに挨拶だけして早く帰ろうと立ち上がると、
「……え」
まだ昴くんに手を握られてて、思わずかたまった。