毒吐き幼なじみはときどき甘い。
昴くんだったらきっと
『俺のこと見つめんなよ〜。照れるじゃん』
とか。冗談っぽく、笑えること言えるのかもしれない。
……って、なんで昴くんで想像しないといけないんだ!?
頭の中に、生意気そうに笑う昴くんが浮かんできて、イラッとして。
そんな昴くんを頭から消そうと、近くにあったゴミ箱の蓋を開けた。
(昴くんなんかゴミ箱に捨ててやる)
ゴミ箱に向かってハァ〜〜とため息を吐いた時。
「ゴミ箱に向かって呼吸してるとか…
奇行すぎて見てらんねぇんだけど」
背後から声が聞こえて、ギク、と体が強張った。