毒吐き幼なじみはときどき甘い。



「……おまえ…」



「豪快なくしゃみ…」




雪森くんがふふ、って小さく笑ってる。



しょうがないじゃん。なんか今日、冷えるし。



ズズ、と鼻をすすると


胸元にぺちん、と何かがぶつかって、ポトリと床に落ちた。




「使えバカ。
鼻水つけられたらたまったもんじゃねぇ」




どうやら昴くんが何かを投げつけたようで。



落ちたものは、ポケットティッシュだった。




「……安いやつ…」



「贅沢言うな!!」




かみすぎたら、鼻痛くなっちゃう。



でも




「……ありがとう」




……久しぶりに、昴くんに優しくされた気がする。





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