毒吐き幼なじみはときどき甘い。
*
昼休み。
いつもと同じように、お弁当を持って席を立つ。
その瞬間、隣に立ってた誰かにドンッとぶつかってしまった。
「……あ、ごめんなさ…」
「………」
顔をあげたら、
眉間にシワを寄せて私を見下ろす、昴くんと目があった。
「……昴く…」
「おいテメェ、ブス女!
昴にぶつかって謝りもしねーのかよ!」
昴くんの後ろから金髪男の声がする。
…って、いやいや、謝ったし。
私とぶつかった時自分は謝らなかったじゃん。どの口が言ってんだ。
うるさくてめんどくさい、と思って目を逸らしたら、
「…っ!」
頬にトン、と冷たいものがぶつかった。