導かれて、放れられない
リビングに向かうと、増見がいた。
「桔梗様は、大丈夫ですか?」
「あぁ…」
ジャケットを羽織ながら答える、天聖。

「宅間から連絡があって、栄会の連中だったみたいですよ、奴等」
「ふーん。早く終わらせようぜ」
「はい」

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
天聖の管轄する、廃墟になった建物。
そこにチンピラ三人が両手を縛りつけられ、地面に座らされていた。
煙草を咥えた天聖と増見が着く。

「若、増見さん、お疲れ様ですっ!」
「「お疲れ様ですっ!」」
「で?」
「桔梗さんの情報が色んなとこに流れているようです」
宅間が挨拶をし、答えた。

「若、やっぱり桔梗さんにも護衛つけないと!」
「だな。できる限り窮屈な思いさせたくなかったが、しゃーねぇな……」
「だから言ったはずです!GPSだけじゃ、すぐには駆けつけられないって!」
増見が天聖を諭す。
増見は何かあっても、すぐに駆けつけることができるとは限らないから誰かつけるように進言していたのだ。

実は桔梗にプレゼントしたネックレスには、GPSがついているのだ。
天聖の部下をつけるのは簡単だが、桔梗が窮屈な思いをするからとGPSつきのネックレスにしたのだ。

「お前等、誰に聞いた?桔梗のこと」
天聖がチンピラの髪の毛を掴み、上に向かせた。
チンピラの顔を覗き込んで睨み、問いかける天聖。
その表情は、寒気がする程恐ろしい。

「………剛田会です…」
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