導かれて、放れられない
何度も果てても、止まらない。
天聖は、今までに経験のない嫉妬という怒りで桔梗の身体を貪っていた。

最終的に失神してしまった桔梗。
そこでやっと、感情が収まったのだ。

「はぁはぁ…
桔梗…?」
「………」
頬を軽く叩く。
ぐったりしている桔梗の身体を改めて見た。
身体中、キスマークだらけだった。

自然と笑みが出た、天聖。
桔梗に再会した時から、何か自分の中でモヤモヤしたものを感じている、天聖。
「あぁ…そうか…全てに嫉妬してたのか……
桔梗に関わる全てに━━━━」
一人、呟く。

いっそのこと、この部屋に監禁してしまおうか。
そうすれば、桔梗を本当の意味で自分だけのモノにできるのではないか。

「………って、無理か…」
天聖はしばらくの間、ただひたすらキスマークを見つめていた。
そしてガウンを羽織りリビングに向かう。
増見がいた。

「若、先程は申し訳ありませんでした」
「今日はもう帰れっつたろ?
それに、お前が悪いわけじゃないだろ?
ただの桔梗の気遣いだろ?」
そう言って、ソファに座り煙草を吸いだした天聖。

「そうですが……」
「それともお前…桔梗に惚れたの?」
目線だけ増見を見る、天聖。
「いえ……」
「まぁ、惚れたとしても……
“お前は俺を裏切らない”」
「若…」
「だろ?」
「はい」
「だったら、いい。
俺は桔梗に癒してもらうから」

「……桔梗さんは、寝たんですか?」
「んー寝たっつうか、失神した」
その言葉に、一度目を丸くして増見は言った。

「あなたは、やはり支配と執着が凄まじい…」
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