とろけるような、キスをして。



「ほら、そろそろ服着て!」


「えぇー、俺まだみゃーことくっついてたい」


「だーめ。ロトンヌ行くんでしょ?私も服着替えるから一回部屋出て!」


「えー……わかったよー……」



 気の抜けた返事をして、自分の脱いだ服を身に纏って部屋を出る修斗さん。


私も急いで下着を身につけた。



「……あ、服キャリーケースの中だ」



 まだキャリーケースごと玄関に置きっぱなしだったことに気が付き、とりあえずスウェットをもう一度着る。


階段を降りてリビングに向かうと、修斗さんがソファにちょこんと座っていた。



「ごめんね。寒いでしょ。今暖房つけるからちょっと待ってて」


「ありがと」


「何か飲む?……って言っても何も無いや。お腹も空いたし、すぐロトンヌ行く?」


「そうだな」



 時刻は午前九時。思っていたよりも寝ていたようだ。暖房をつけるのをやめて、玄関の荷物から服を何着か出して部屋のクローゼットに入れる。


ついでに着替えると、洗面台で軽くメイクをして修斗さんと共に家を出る。



「俺も着替えたいから先行ってて」


「わかった。じゃあ後でね」



 修斗さんは自分の家に着替えに向かう。歩きのようだけど、そこまで時間はかからないだろう。


首に巻いたマフラーを嬉しそうに触っている姿に手を振って、ロトンヌに向かう。


 昨日は暗かったからあまり見ていなかったものの、外はやはり一面銀世界になっていた。とは言っても三センチほどしか積もっていない。冬本番はこれからだ。


雪を踏みしめる時の特有の"ギュッ"という音が、耳に懐かしい。


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