とろけるような、キスをして。



 温泉はたくさんの種類があって、とても気持ち良かった。


保湿をたっぷりとして、浴衣を着て。


乾かした髪の毛は、浴衣に合うように後ろで纏めてバレッタで止めた。


 ほかほかの状態で部屋に戻る。するとすでに修斗さんも戻ってきており、部屋には豪華な食事が並んでいた。



「おかえり」


「ただいま。ごめん、遅くなった」



 十八時を少し過ぎてしまったようだ。


私を見て一瞬目を見開いた修斗さんは、すぐにその目尻をふにゃりと下げて手招きした。


それに従って、食事が並ぶテーブルに向かい修斗さんの向かいに座る。



「食べよ」


「うん。いただきます」


「いただきます」



 鰤のお刺身にタラバ蟹、ワカサギの天ぷらなど、旬の魚介を使った料理に舌鼓を打つ。



「近くに酒蔵もあるらしくて、この日本酒が美味しいんだって」


「え、飲みたい!」


「ほら」


「ありがと」



 日本酒を注いでもらったお猪口を口に運ぶ。



「美味しい!」


「そっか、良かった」



 甘口のまろやかな味が、とても飲みやすくて美味しい。



「修斗さんは今日は飲まないの?」



 一緒にこの美味しさを味わいたくて聞くと、少し悩んでから



「んー、じゃあちょっとだけ」



と頷いた。



「ふふ、はい、私が注ぐね」


「お、ありがとう」



 修斗さんのお猪口に同じように注ぐと、



「本当だ。これ美味い」



と久しぶりのお酒に嬉しそうだ。


 そのまま食事を終えて、窓際にあるソファとテーブルに移動して残った日本酒をちびちびと飲み進める。


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