とろけるような、キスをして。



「ほら、一緒に入ってくれるんだろ?」


「そうなんだけど……、ちょっと、こっち見ないで?むこう向いてて!」


「はーい」



 冷えた身体を温めようと、部屋に戻るとそのまま窓の外にある露天風呂に入ることに。


 しかし、我先に!と外に繋がる脱衣所で服を脱ぎ捨ててタオルを手にお湯に入った修斗さんとは違い、私はなかなか服を脱げなくて。脱衣所で修斗さんを見つめながらうだうだとしていた。



「早く来いよ。あったかいよ。そこ寒いし風邪引くから、ほらおいで」



 ドア越しだからくぐもって聞こえる声に、



「う、うん……」



と声を張る。


 ここからでもわかる、檜のいい香り。


風に揺れながらもくもくと立ち登る湯気。


 意を決して服を脱ぎ、タオルを身体に巻いて修斗さんの元へ。


痛いくらいの寒さの中、そっとお湯の中に足を入れる。するとちゃぽん……という静かな水音が響いた。



「あったかい……」


「だろ?ほら、風邪引くからタオル取って早く浸かりな」


「……そっち向いててよ?」


「わかったって。ほら」



 私とは逆向きに身体を捻った修斗さんを見ながら、私もゆっくりとお湯に浸かる。



「ふぅ……気持ちいい」



 冷えきった身体が、芯から温まる感覚。


手で掬ったお湯を腕に伸ばす。いつもよりも肌がツルツルだ。



「もうそっち向いていい?」


「うん……」



 頷くと、ゆっくりとこちらを向く。


対して私は身体を隠すように縮こまった。


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