とろけるような、キスをして。



「俺?全然。たっぷりみゃーこを味わったから、むしろ目が冴えてる。超元気。若返った感じ」


「……変態め」



 艶々の肌とニッと笑った口元から覗く白い歯が恨めしい。


……とは言え、私からも何度も求めてしまったし、……き、気持ち良かったのは事実だし。それも意識を何度も飛ばすほど。


何度イッたかわからないし、何時間抱かれていたのかもはっきりとはわからない。


 身体中が筋肉痛なのがその証拠だ。特に内腿とお尻、あとは二の腕が痛い。


余程普段使わない筋肉を使ったのだろう。


 そういう行為で多少痩せる人もいると言うけれど、あながち嘘ではないのかもしれない。でもそんなことで痩せるのはなんだか嫌だ。普通に運動して痩せる方がよっぽど体裁が良いってもんだ。



「ほら、あそこにあるソフトクリーム買ってやるから許して?」



 道の駅に向かう途中にある、牧場が営むアイスクリーム屋さん。この辺では有名らしく、午前中なのに観光客が非常に多い。



「……アイスは寒いから嫌」



 物で釣ろうなんて、私は子どもじゃないぞ。



「う……確かにそれもそうだな。じゃあ何が良い?何食べたい?何してほしい?」



 私が嫌と言ったから、アイスクリーム屋さんは素通りして近くにある道の駅に車を止めた。


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