とろけるような、キスをして。



 必死に私に許しを乞う修斗さんに、私は怒っていたはずなのに何故だか段々笑えてきてしまって。



「……ふふっ」


「みゃーこ?」


「ふはっ……、……もう、しつこいな。でもそんなに許して欲しいなら、……そうだなあ。一つお願いしても良い?」


「うん」


「私、修斗さんが作ったご飯食べたい」



 付き合ってから、お泊まりするたびに私が料理をしていた。


修斗さんはなんでも美味しいと言って完食してくれるし、それ自体に文句は全く無い。


けれど、たまには逆パターンがあっても良いと思う。



「わかった。みゃーこの好きなものいっぱい作るから!」


「そんなにいっぱいあっても食べきれないからほどほどにしてください」


「……はい」



 早速修斗さんは「俺が作れるものでみゃーこが好きなもの……」なんて、腕を組んで考えている。


私はそれを見て



「あと、しばらくはお触り禁止ね」



と条件を増やす。



「えぇ!?」



 ショックを受けた表情に、また笑いが溢れる。



「だって筋肉痛で痛いんだもん」


「……すみませんでした」



 さすがに昨日のはやりすぎたと自分で自覚しているのだろう。


私が痛みで朝起きられなくて悶絶しているところを見たから尚更かもしれないけれど。



「それに明日からお互い忙しいでしょ」


「うん……」



 修斗さんの手料理も、しばらく食べるのはお預けになりそうな予感。


 帰りは行きとは違う道を通って、少し遠回りして帰った。


どうにも眠くて仕方なかった私は、修斗さんの家には行かずに自宅に送ってもらい、そのままベッドに倒れるようにダイブ。


 多分、五秒くらいで夢の中にいたと思う。


 そのまま朝まで寝てしまい、起きたら早朝五時だった。

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