とろけるような、キスをして。
「……先生、野々村さんと付き合ってるって本当ですか?」
それは、つい数分前に震えていた子とは思えないほどに力強い声だった。
「あぁ、あの噂のこと?」
「はい。今、野々村さんに聞きに行ったら、深山先生に直接聞けって言われました」
「ははっ、なるほどね?それでわざわざ俺を見つけて引き止めに来たんだ?」
「はい」
修斗さんが楽しそうに笑っているのが、手に取るようにわかる。
「本当に俺に直接聞きに来たのは立花が初めてだから、特別に教えてやる」
「……」
「確かに俺はあいつと付き合ってるよ」
周りからは、微かに授業をしている教師たちの声が聞こえてくる。
そんな中で、修斗さんの声はいつもより小さいのに一際澄んでいてスッと脳に響き、心地良い甘さを耳に残す。
「……認めないと思ってました」
「まぁ、本当は隠し通した方がいいんだろうけど。でもお前、誤魔化してもしつこく聞いてきそうだし」
「……」
「あいつのことで、嘘は吐きたくないから」
じんわりと、胸が温かくなる。
「……二年前に言っていた、先生の好きなタイプっていうのも、野々村さんのことですか?」
「二年前?俺どんなこと言ってた?」
「"猫みたいな、可愛くて放っておけなくて守ってあげたくなるような子"って」
「あぁ、うん。そうだね。あいつのことだわ」
ドクン、と。高鳴る胸。