とろけるような、キスをして。
だから、そんなに握った拳が震えているんだ。
それを見ているだけで、彼女の想いが真剣だということが伝わってくる。
わかる。わかるよ。
だって修斗さん、かっこいいから。優しいから。
知れば知るほど、好きになっちゃうよね。
私は学生の頃、そんなふうに考えたこともなかったけれど。
今ならわかる。多分、立花さんの他にも修斗さんのことを想っている生徒は何人かいると思う。
それくらい、大人の魅力と包容力がすごい。
もしかしたら、卒業したらその想いを伝えるつもりだったのかもしれない。
そんな時に急に私が現れて、修斗さんと噂になって。
そりゃあ、面白くないだろう。こうやって呼び出して、真相を確かめたくなる気持ちもわかる。
深山先生に直接聞くのが怖いから、私に聞きにきたのもわかる。
……恨まれるのも当然だ。
「……そう、ですか。わかりました。忙しいのに、ごめんなさい。失礼しますっ!」
立花さんは、逃げるように図書室を出て行ってしまった。
それを複雑な気持ちで見送ると、私も事務室に戻ろうと重い足を動かす。
もう一度先ほどの階段を登ろうとした時に、今度はその上から立花さんの声が聞こえてまた足を止めた。