とろけるような、キスをして。



 そして数年が経ち。



「深山先生、私今度結婚することになった」


「おめでとう。ようやくだね」



 四ノ宮先生が結婚することになった。その時は純粋におめでたい。その気持ちだけだったものの。



「だからね、結婚式に深山先生来てね」


「そりゃ、もちろん招待してもらえれば喜んで行くけど……」



 そこまで言って、もしかして。と気が付く。



「うん。美也子もどうにか呼ぶから。だから深山先生、絶対来てね」


「……ありがとう、四ノ宮先生」



 最近のみゃーこが元気が無いって。声が落ち込んでるって。四ノ宮先生が言っていた。


 やっと、みゃーこに会える。そうしたら、この気持ちを伝える。そして、今度こそ。自分の手でみゃーこを救いたい。守りたい。もう、失いたくない。


その一心で、仕事にも精が出た。


 そして、あの結婚式で再会したのだ。


みゃーこの振り袖姿があまりにも綺麗で、四ノ宮先生に頼み込んで写真を撮ってもらったり。


でもそんなに必死になるくらい、俺にはみゃーこしか見えていなかった。



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