とろけるような、キスをして。



 空港まで向かう道のりは、とても静かだった。
景色を目に焼き付けるように見つめているうちに、あっという間に空港の駐車場に到着する。



「ここでいいよ。ありがとうね」


「……せっかく来たし、行けるところまで送ってくよ」


「でも……」


「ほら、荷物貸して」


「……ありがと先生」


「そこは"修斗さん"じゃないの?」


「ふふっ、ありがとう修斗さん」



 満足気な先生は、荷物を持って私を先導してくれて。


チェックインを無事に済ませてお土産も買い、保安検査場の前まで送ってくれた。



「いいか?最寄駅着いたらちゃんと電話しろよ?」


「わかってる。……二日間時間もらっちゃってごめんね。ありがとう」


「気にすんなって。仕事の件も、明日すぐに聞いてみるから」


「うん。こっちも上司に話してみる」


「……じゃあ、気を付けろよ」


「ありがとう。じゃあ、またね」



 名残惜しい気持ちを胸に隠し、先生に笑顔で手を振って保安検査場を潜る。


 二日間、先生のおかげでとても楽しかったからか、一人になると急激な寂しさに襲われた。



「……乗ったら、着くまで寝てよう」



 搭乗のアナウンスを聞いて、飛行機に乗り込む。


離陸してすぐに、目を瞑った。


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