とろけるような、キスをして。

拍子抜け




*****


「みゃーこ、おはよ」


「……おはよ」



 朝、ふと目を覚ますと先生は先に起きていたようで、私に腕枕した状態でスマートフォンを弄っていたよう。


 私が起きたのを見て、手に持っていたスマートフォンをベッドに置いた。



「昨日、みゃーこあのまま寝ちゃったから、起こすのも可哀想で。向こうの部屋で布団に寝かしてあげようと思ったんだけど、みゃーこが俺の服掴んだままだったから布団敷けなくて。ごめんな、一緒の布団で」


「……ううん。私こそ迷惑かけてごめん」


「迷惑じゃないよ。可愛いみゃーこが見れたから俺は満足」


「……馬鹿」



 憎まれ口を叩いて、身体を起こす。


数時間前のことを聞きたいのに、先生があまりにも普通に接してくるから逆に聞けない。


 本当に覚えていないのだろうか。それなら、私も何も知らないふりをした方がいいのかも。


まだ高鳴っている心臓を、深呼吸して少し落ち着かせた。



「……先生、ご飯食べよ。私作るから」


「え、いいの?」


「うん。ついでにお弁当も作ってあげようか」


「マジ?やった!」



 子どもみたいに喜ぶ先生に笑いそうになりながら、先生の寝室を出た。


 私服に着替えて顔を洗ってから、昨日買った食材を使って、朝食とお弁当を作る。


焼き魚と卵焼きにお味噌汁。簡単な朝食だけど、先生は目を輝かせて食べてくれた。


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