茨ちゃんは勘違い
木更津は、面食いだった筈の自分がどうして茨に惹かれているのか、未だ自分自身の気持ちに疑問を持っていた。

こうして二人きりで過ごしていると、尚更で、不細工以前に傲慢不遜極まりない茨は、話しているだけで疲労が溜まる。

しかし、今まで付き合ってきた女の子には無い、楽しめている自分が事実居たりした。

何故自分は数居た女子の中で、茨を選ぼうとしているのか。

このデートを以て確かめよう。

木更津は改めて自分自身に確認すると、隣で高笑いし続ける茨を横目に、完全に背中を向けて寝ているライオンの群れをじっと眺めた。
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