茨ちゃんは勘違い
顔を真っ赤にしながらキレる畑山の眼には、うっすら涙が浮かんでいる。
あの大会の一件以降、暫く放心状態が続いた畑山だったが、現実逃避の為、何故か中途半端に不良少女に走ったらしく、空回りの毎日を過ごしている。
似たような境遇の百合絵は、畑山を放っておけなくなり、こうしてなんとなく一緒に過ごす事になっている。
因みに、さっきやっていた「パシリ」らしき一連のやり取りは、いつも気を利かせて購買へ向かう百合絵が、心ここに在らずの畑山に「何か食べたいものありますか?」から始まる、日課となっている。
桜はというと、あれから隠す必要が無くなったせいか、校内でも春海といちゃつくようになり、桐海暁屈指のバカップルとなっている。
そんな二人をあからさまに避けるようになった畑山を見ていると、哀れを通り越して自分まで悲しくなってくる……と、百合絵は思っていた。
「今日って何月何日だっけ?」
畑山はあんぱんを食べ終えると、徐に百合絵に聞いた。
「……え? 聞きたいですか? え? まじで?」
心底嫌そうな表情を浮かべる百合絵に、畑山が全く怖くないガンを飛ばす。
「いいから教えろよ」
「12月……」
「12月ぅ??」
「……24日……」
「……」
「……」
あの大会の一件以降、暫く放心状態が続いた畑山だったが、現実逃避の為、何故か中途半端に不良少女に走ったらしく、空回りの毎日を過ごしている。
似たような境遇の百合絵は、畑山を放っておけなくなり、こうしてなんとなく一緒に過ごす事になっている。
因みに、さっきやっていた「パシリ」らしき一連のやり取りは、いつも気を利かせて購買へ向かう百合絵が、心ここに在らずの畑山に「何か食べたいものありますか?」から始まる、日課となっている。
桜はというと、あれから隠す必要が無くなったせいか、校内でも春海といちゃつくようになり、桐海暁屈指のバカップルとなっている。
そんな二人をあからさまに避けるようになった畑山を見ていると、哀れを通り越して自分まで悲しくなってくる……と、百合絵は思っていた。
「今日って何月何日だっけ?」
畑山はあんぱんを食べ終えると、徐に百合絵に聞いた。
「……え? 聞きたいですか? え? まじで?」
心底嫌そうな表情を浮かべる百合絵に、畑山が全く怖くないガンを飛ばす。
「いいから教えろよ」
「12月……」
「12月ぅ??」
「……24日……」
「……」
「……」