茨ちゃんは勘違い
百合絵の胸の内等、知る由もない茨は、両足の踵を上げて、背筋をこれでもかというぐらいピンと伸ばし、右手を元気良く上げてこう言った。

「じゃあね~じゃあね~皆でぶっちゃけちゃおう♪ぶっちゃけ話をしよう♪」

茨の提案に他三人の動きが固まる。

「い、茨ちゃん……?」
「城山さん、ぶっちゃけるって……何を……?」
「決まっているじゃない!」

茨はそのままぶっ倒れて後頭部を強打するのではないかというぐらい仰け反ると、然程主張していない胸を張ってこう続けた。

「自分の……恋の相手をぶっちゃけるのよ!メロメロぶっちゃけよ!日が沈んだこんな時間に乙女オンリーで四人!って事は話す事は王道も王道な、この手の話しかないでしょ!いやん茨ってば、DA・I・TA・N」

捲し立てるように喋った後、茨は自分の顔を手で覆う仕草をした。

ハッキリ言って、可愛くはない。

キモい。

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