君にとってのハッピーエンド、僕にとってのバッドエンド



若菜に恋人がいたなんて……。それも大人気俳優の紫水圭だなんて……。

そんなショックが隠しきれないまま、僕たちはレストランで食事をした。何故か当然のように紫水圭もついてきて、僕に見せつけるかのように若菜を抱き寄せるものだから、イラッとしてしまう。それと同時に、悲しくもなった。

僕は十年くらいずっと若菜のことが好きだった。それなのに、こんな男に取られるなんて……。

「はい、若菜。これお土産だよ。気に入ってくれるといいけど」

若菜にお土産として選んだ紅茶の茶葉を渡す。イギリスは紅茶で有名だからね。若菜は高校生の頃、よくフルーツティーが好きで飲んでいたから紅茶を選んだんだ。

「わあ、ありがとう!家に帰ったら淹れてみようかな」

若菜の笑顔を見ると、いつも幸せになって胸が高鳴っていた。でも今は、その笑顔を見るのが苦しい。だってどんなに胸を高ならせたって、若菜の隣に立たないんだから。

「おいしそうな紅茶だね。若菜、今度二人でこの茶葉に合うお菓子でも作ろうか」
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